うさヘルブログ

気持ちの整理のために開設。うさまるとデスヘルが好き。最近は、気持ちの整理とダイエット報告がメインになってきています。

料理に失敗した。すごく悲しい。

冷蔵庫の中をのぞくと、玉ねぎが二つとニンジンが一本余っていた。玉ねぎとニンジンで味噌汁にしようと思ったが、ウインナーの買い置きもあったので、玉ねぎとウインナーのバター炒めを作ろうと思い至った。我ながら、食物繊維とたんぱく質が取れるいいアイディアだと思った。

 

床に放り投げられていたフライパンを手に取ると、コンロに乗せる。続けて、冷蔵庫から玉ねぎを取り出すと、茎と芽の部分を包丁で切り落とし、外側の皮を二枚剥ぐ。二個あったので二回同じことをした。玉ねぎを向くと眼が痛くなるというが、別に気にもならなかった。最近玉ねぎをよく使うからだろうか。

 

切った玉ねぎは5分割して片側から逆側に貫通するほど爪楊枝を差し込む。だが、これが案外難しい。何枚もの皮が重なってできている玉ねぎは、包丁で分断してしまうと、内側の皮がつるんと飛び出してしまう。ある程度の大きさがあれば指で抑えられるのだが、小さくなるほどそれも難しくなる。

 

横から切る前にやっておけばよかったと後悔した。力を込めてやらないと貫通するほど差し込めないが、下手に力を込めると突き刺した爪楊枝があらぬところから飛び指に刺さってしまいそうだ。実際、何度か抑えている指先をかすめて飛び出した。玉ねぎではなく、指を貫通されるのはごめんだ。昔、ホッチキスの操作を誤って、芯が親指を貫通した時のことを思い出した。一周の忘我の後に、じわりと痛みが広がり、堰を切って鋭い痛みになる。ああ、親指がムズムズする。

 

苦労して爪楊枝を差し込んだ玉ねぎを10個用意すると、ウインナーとバターを取り出す。レシピによると、玉ねぎ一個につきバター40グラムが適量らしい。今回は玉ねぎ二個なので、80グラム使用することにした。ちょうど一箱当たり150グラムの半分くらい残っているのがあったので、それをそのままフライパンに叩き込む。

 

バターは熱したフライパンの上でさっと溶けて油の塊になってゆく。慌てて玉ねぎを五つほど叩き込んだ。ジュウジュウといい音を立てて玉ねぎの色が変わってゆく。それはいいのだが、フライパンの上で波が立つほどになったバターの油を見て、やりすぎたかと後悔した。玉ねぎ一個ずつ、バター40グラムずつにするべきだった。

 

とはいえバターはすでに油の海になってしまっている。今更公開しても遅いので、玉ねぎをひっくり返すと同時にウインナーを適当にぶち込んだ。10本くらいだったと思う。玉ねぎはまだ焦げ目がついていない。レシピによると片面が焦げたくらいでひっくり返すのがいいと書いてあったが、まだ先は長そうだ。

 

少し別のことをしよう。そう思うと同時に、臭いが籠ってきたのに気が付いた。バターの甘ったるい臭いが充満している。重く、放置していると胃と頭に後々響きそうだ。

 

換気のために窓を開けて換気扇を回す。途端に、というわけにはいかないが、少しばかり外の空気と混ざって、匂いが攪拌された気がした。その様に満足して戻ってみると、フライパンの中が地獄になっていた。

 

煮えたぎった油がぼこぼこと泡立ちながら玉ねぎとウインナーをいじめている。慌ててさらに火の勢いを弱めて玉ねぎを裏返す。野菜は思ったよりも丈夫なようで、軽く飴色の表面に焦げ目がついた状態になっていた。なんとも食欲をそそる色合いだ。

 

平然とした玉ねぎとは違い、ウインナーはひどい状態になっていた。ウインナーの表面が破れて中の方まで黒く焦げ始めている。外にあるバターの油と、ウインナー自体の内部の油で二重に熱されたせいだろう。かといって、火の勢いを止めるわけにはいかない。あきらめた僕は、手に持った菜箸でウインナーをくるくると適当に回すと、外に出るための準備を始めた。

 

今考えれば焦げている時点で取り出せばよかったのだろうが、その時はそんなこと思いつきもしなかった。人間、とっさの事態に適切な行動がとれないものである。

 

調理の最中、玉ねぎの一部が油の勢いに負けて、外に飛び出した。なんとなくそれをつまんで食べた。・・・・・・脂っぽい。少なくともおいしくはない。残念に思って母にその様子を写真で送って見せた。少しの時間がたった後に、醤油をぶち込んだらいいとの意見が返ってきた。なるほどバター醤油か。悪くない組み合わせだ。

 

さっそく冷蔵庫の中から醤油を取り出しで適当にぶち込む。ジュワッといい音を立てて油と混じると、醤油の焦げたいい香りがあたりに広がった。これは正解、と直感した。その後、もう片方の玉ねぎの表面が飴色になり焦げ目がついたのを確認して、玉ねぎとウインナーをどんぶりの中に取り出す。

 

フライパンの中は使った後の汚い油が浮いている。焦げた玉ねぎの皮とあくが浮いているのも見て、この中に玉ねぎを叩き込むのはぞっとしない気分になったが、調理途中でやめるというのも気持ちが悪い。南無三、と内心思いながらその汚海の中に玉ねぎを5つ追加した。既に熱を持っているせいか、玉ねぎの片面が焼ける速度は速く、先に作ったものよりも早く調理が済んだ。

 

両面に焦げ目ができているのを確認して火を切る。これで調理は終了だ。まずは先に調理したものを平らげてから、道具の清掃をしよう。

 

どんぶりに叩き込んだ玉ねぎとウインナーを口にする。油っぽいが、醬油のおかげでさっぱりとした感じが出ている。食べれなくなないし、まずくはないが、おいしくもない。普通に食べれるけれど、進んでたくさん食べるほどでもない。そんなものが出来上がった。思っていたものと違う。

 

もったいないので全部平らげたが、なんとも物悲しい気分になった。思った通りにできていれば、残った玉ねぎも食べようと思っていたが、そんな気分にはならなかった。すごく悲しい気分になる。

 

やはり料理は難しいものだ。