電動カミソリを使うとカミソリ負けしやすくなる
床屋の親父と弟を持つマッサージ師の人からこんな話を聞いた。
『電気カミソリを使うと、カミソリ負けするようになりますよ。皮膚が硬くなるんだそうです。とはいえ毎日髭をそらないわけにはいかない。手動はめんどくさいですから、結局、床屋でカミソリしなくなりました。』
曰く、『電動カミソリを使っていると皮膚が硬くなって、カミソリ負けしやすい状態になる』らしい。しかしなんだかよくわからない。
なぜ、電動カミソリを使った場合と、カミソリを使った場合で違いが出るのか?
なぜ、電動カミソリを使うと、皮膚が硬くなるのか?
カミソリ負けしやすい状態、とはどういった状態を指すのか?
何が何だかさっぱりだ。とりあえず疑問をひとつずつ潰していってみる。
まずは電動カミソリとカミソリの違いだ。『ヒゲの雑学』というサイトによると、
一般にウェットシェービングとはカミソリを使用してヒゲを剃ることをいい、ドライシェービングとは、電気カミソリを使用することをいいます。カミソリと電気カミソリの根本的な違いは「剃る」と「刈る」にあります。つまり、カミソリでのシェービングは肌に刃先を当てて、ヒゲを根本から剃るのに対し、電気カミソリは、肌と刃(内刃)の間に金属板(外刃)が一枚入っているため、ヒゲを根本から少し上のところで刈り取るような形になります。
とのこと。大雑把に、カミソリは手がかかる分、毛の根本まで『剃る』が、電動カミソリは手軽な分、毛の根本まで『刈る』事しかできない、という理解でいいのだろう。
そして処理できない毛があれば、埋没している長さの分、皮膚が盛り上がる。つまり、毛の生えていた部分は生えていない部分の凸凹が大きくなり、その差が顕著にわかるようになる。この時、残った毛の量が長いほど、凸凹の部分が大きくなる。
これがいわゆる、『皮膚が硬い』状態なのだろう。
さて、ここでカミソリ負けについて調べてみる。
『HIGEハック』というページによると、カミソリ負けとは、
カミソリ負けの症状として、肌がヒリヒリしたり、湿疹、かゆみや出血を伴う事もあり、男性なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか?一般的にカミソリ負けとは、ヒゲを剃るときに毛だけではなく、剃毛時に皮膚の角質も剃り落としてしまい、擦過傷(擦り傷)のようになったり、雑菌の侵入により炎症を起こしている状態の事を指します。
という状態を表すとのこと。
要は、『カミソリで皮膚が切れる』ということだ。
というわけで話を合わせると、電動カミソリを使うと、カミソリを使った場合よりも、皮膚の凸凹が大きくなる。その凸凹は、電動カミソリにとっての毛を処理できる限界値であるけれども、カミソリにとって限界ではない。
カミソリはもっと深くよりいっそう平坦に毛を処理することができる。つまり、その凸凹の部分をもっと深く削ることができる。平坦にする際、毛と一緒に角質を削ってしまうのがすなわち、カミソリ負けするということになるわけだ。
これが彼の言う、『電動カミソリを使っていると皮膚が硬くなって、カミソリ負けしやすい状態になる』ということなのだろう。
人間、楽を覚えると、体は素直に反応して、楽をした分弱くなるという事かな。