言葉の受け取り方
父親に励まされた。二つの選択肢用意してくれた。たぶん善意なんだと思う。本人に悪気はないのだと思う。けれど、僕はどうしてもその選択肢を強制されたもののように感じてしまう。
父親は相変わらずの物言いだった。たぶん、あの人はこう言いたいのだと思う。
『今から君に二つの選択肢を提示する。それは選んでもよいし、選ばなくてもよい。ただ、その道を選んだ方が、君のためになると思うから話すのだ。ただ、どんな道を選んだとしても、自分の責任であることを忘れないでほしい』
しかし、あの人の口調と話し方だと、僕には違う聞こえ方をする
『俺の話を聞け。それは正しい事だ。俺が考えるかぎりお前にとって最高の未来を手に入れる方法だ。そして、その選択を選ぶのはお前の意思であって、その道で失敗したとしても俺のせいじゃない。』
僕の心の根底には、あの人に対する恐怖がこびりついている。恐れる気持ちが同じ内容の言葉を悪く解釈させるのだ。それは父親の押しの強い性格と感情が高ぶると声を荒げる特性と相まって、よりいっそうにその印象を悪くさせる。いつかこの悪しき循環を断つことができる日が来るのだろうか?